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新薬について

MEDICINE

抗認知症薬について

認知症の中核症状である認知機能低下に対する抗認知症薬は、その作用機序で大きく二つに分かれます。

1) 対症療法と呼ばれる、認知機能低下症状を和らげる治療薬。これには認知症脳内で低下しているとされるアセチルコリンを増やす薬、あるいは神経毒と言われるグルタミン酸の過活動を抑える薬があります。対症療法では、認知症の神経変性を抑える効果は無いとされています。

2) 認知症の大きな原因の一つであるアルツハイマー病の脳に異常沈着し、疾患の原因とされているアミロイドβというタンパク質を除去する免疫療法。この治療薬により、認知機能低下がある程度抑制されることが示されていて、神経変性を抑制出来る可能性(疾患修飾療法)も指摘されています。この治療法は2023年末〜2024年春頃の保険収載の予定とされています。

どちらの薬も投与する際には適格性を見極め、また、副作用に注意しながら経過を見る必要があります。
残念ながら認知症を治癒させる薬はまだ存在しません。上記の抗認知症薬は認知症を患う方、そしてその家族の生活を長い目で見て多少なりとも改善させる効果を期待しての投与となります。